┃労働災害とは
労働災害(ろうどうさいがい、労災)とは、業務上の事由又は通勤途上で、負傷、疾病、障害、死亡する災害のことを言います。
労働災害をカバーする労働者災害補償保険は、労働者の資格如何に関わらず、全ての労働者(アルバイト、パートを含む)に適用されますが、ただし、例外として公務員、船員には適用されていません。
労災の形態によっては、管理者が業務上過失致死傷罪などの刑事責任を問われることがある。
┃業務災害の定義
業務災害に対して補償されるのは、使用者の支配下において労働の提供を行う労働者の災害についてである。過労死や自殺もその要因が、使用者の支配下によるものと認められた場合、業務災害として認定されるようになった。
・休憩時間を含む全ての作業中、作業に通常伴う行為。
・出張中を含む全ての作業中、作業に通常伴う行為。
業務として強制されない(使用者の支配下にない)社外での懇親会(忘年会、花見など)等は労働災害に含まれず、また懇親会場への行き帰りの際の事故等について、いかなる場合も通勤途上災害とはならない。また、一般には第三者の犯罪行為は除かれる(第三者の犯罪行為であっても、業務または通勤に内在する危険が現実化したと評価される場合は対象となる。例えば、警備中の警備員が暴漢に殴られた場合などは対象となる。個人的私怨により、偶然職場や通勤途中で知人から殺されたような場合は業務に起因するものとはいえず対象外とされている。)。戦争、内乱も同様である。
┃通勤災害の定義と問題点
◇定義
昭和48年の労働者災害補償法の改正により、業務災害に加えて労働者災害補償保険の適用が認められたものである。通勤とは、労働者が就業に関し住居と職場との間を合理的な経路及び方法により、往復することをいい、業務の性質を有する物を除く。なお、通勤経路の途中で逸脱もしくは中断していた場合や、通勤経路・通勤方法が合理的とみなされない場合は、日常生活上必要な行為で厚生労働省令に定められている場合を除いて、通勤災害として認められない。
◇問題点
・マイカー通勤で被害者になった場合には労災申請可能である。但し、加害者等から賠償金を受け取った場合には当該部分については支払われないが、自己の過失に相当する部分についての補償は受けられる。また、労災保険の適用を受ける事で医療費総額が削減されることも多いことから、保険会社との交渉に当たって、治療期間や慰謝料等の取引材料となる。また、加害者の資力が不十分な場合にも有効である。
・ 通勤災害は、使用者の支配下にないので労災申請しても使用者に調査が入ることがなく、使用者からは比較的簡単に労災申請を出して貰える傾向がある。しかしながら、通勤災害の被害者である労働者自身(もしくはその家族など)が労災適用に当たっての労を要し、労働災害の認定についても業務災害以上に難しいことが多い。
┃労災隠し
労災が起きた際、所轄官庁への報告届出を面倒がり、あるいは、それによるイメージ低下や入札の指名停止被処分などの実害を嫌悪し、労災が起きたこと自体を使用者が隠匿する、いわゆる「労災隠し」が行われる場合がある。給付が行われない分は使用者が補償したり、より悪質な場合はそのまま自費で治療させたりする。
これには被災した労働者の「これ以上迷惑を掛けたくない」という意識もあろうと推察される。しかしこれは使用者の優越的な立場を悪用した強制のみならず、同業や他業への展開を妨げ、対策の確立や再発防止・予防を妨げる行為であり、発覚時には使用者がより厳しく罰されるのだが、なかなか絶えないのが現実でしょう。